色を変えると、なぜ気分も行動も変わるのか? カラーマジックと脳・心のメカニズム
2026.09.12
私はもともと、光と色の専門家です。2015年ベルギーで初めて「世界の光と色のカンファレンス」に参加させていただいたとき、参加者である医師、大学教授、セラピストなどの年齢層の高さに、とても驚いたことがあります。コアメンバーは、60代以上。
つまり「光と色」というテーマは、若い頃に少し学んで終わるようなものではなく、長い時間をかけて探究し続けるだけの奥行きがある世界なのだと、改めて感じたのです。
ニュートンもゲーテも、生涯「色」に魅了された
歴史上の人物を見ても、誰もが知っているドイツの詩人ゲーテ(1749〜1832年)と、「万有引力の法則」で知られる科学者ニュートン(1643〜1727年)は、ともに色について深く研究した人物です。
ニュートンは光を科学的に探究し、ゲーテは人間が色をどのように知覚し、感じるのかという側面から色彩を探究しました。
アプローチは異なりますが、この二人の天才が、ともに「色」に魅了され、長年研究していたことは、とても興味深いことだと思います。
それだけに、日本ではカラーセラピーや色彩心理が、どうしても占いのようなものとして扱われることがあるのを、私はずっと残念に感じてきました。
もしかすると、「色の波/色の力=カラーマジック」と言うと、プラシーボ効果のようなもの、つまり「気のせい」だと思う方もいるかもしれません。けれど、光と色は、そもそも私たちの身体や脳と無関係なものではありません。
なぜ、光と色は脳や心、身体に影響するのか
私たちが色を見るとき、目に入っているのは「光」です。
その光の情報は網膜で受け取られ、視神経を通して脳へと送られます。そして光の情報は、単に「色や形を見る」という視覚だけでなく、生体リズムや睡眠、覚醒などに関係する脳の働きにも影響しています。
私たちは、普段それを意識していません。
けれど毎日、どんな光の中で過ごし、どんな色を目にしているかによって、少なからず身体や心は刺激を受けています。だからこそ、もし今、心身のバランスが崩れていたり、「何かを変えたい」と感じていたりするのなら、日常の中で目に入る色を意図的に変えてみることも、一つの方法です。
部屋の色。
身のまわりに置くものの色。
ほんの少し変えるだけでも、自分の内側に起こる感覚は変わります。
大切なのは「意図して」色を使うこと
ここで大切なのが、「意識して」「意図的に」色を使うこと。
これが、私が考える色の波(いろは)=カラーマジック/色の力。つまり色彩心理を活用するときの大切なポイントです。
少し筋トレに似ています。
ただ身体を動かしていれば、理想の身体になるわけではありません。どこの筋肉を使っているのかを意識しながら動かすことで、身体の使い方そのものが変わっていきます。
色も同じです。
ただ何となく色を選ぶのではなく、「今日はどんな自分でいたいのか」「どんな気分で過ごしたいのか」そこを意識しながら、色を選ぶ。
すると、色が自分の心理や身体感覚にどのような影響を与えているのかを、少しずつ実感できるようになります。
色が変わると、行動まで変わる
洋服だけではありません。
インテリアや雑貨など、日常の中で目にする「色」を意図的に変えると、気分が変わります。
気分が変わると、考え方や行動も変わります。
そして、考え方や行動が変われば、おのずと「結果」も変わっていきます。
今までとは違う結果が生まれることで成功体験が増え、自分に対する信頼も少しずつ育っていく。
すると、その人の表情や佇まい、放つ雰囲気まで変わってきます。
私がよく言う「幸せオーラ」は、こうした日々の小さな変化の積み重ねから生まれるものでもあるのです。
気分・感情 → 思考・行動 → 結果
自分が選択する色を変えることで、気分・感情、思考・行動、そして結果が変わっていく。
色は、ただ「似合う色を選ぶ」ためだけのものではありません。自分の内側を動かし、そして現実の行動を変えるためにも使うことができます。
いろは瞑想(Cosmic Color Meditation)創始者
音楽業界で、日本を代表する歌手を含む500名以上のアーティストの宣伝・プロモーションに携わった後、色彩心理・メンタルマネジメントの分野で起業。
VOGUE JAPAN、an・an、AERA、日経新聞など多数のメディアに出演・監修。著書3冊。2009年 日本色彩学会、2016年 ウィーン「世界の光と色のカンファレンス」にて研究発表。
現在は、経営者・クリエイターの感性・直観・存在感をひらく瞑想コーチ/メンタルプロデューサーとして活動。奈良・京都での瞑想の中で啓示的に受け取った独自の「いろは瞑想」を体系化し、奈良・東京・オンラインでセッション/プログラムを展開している。